レンダリングオプション
レンダリングタブは、最終のレンダリングの主なプロパティをコントロールします。レンダリングの質や所要時間をコントロールするのにこのタブを使用します。最終イメージの解像度が、所要時間を左右する一番大きな要素です。
ドラフトレンダリング中にレンダリングの解像度を低くしておく習慣をつけるとよいでしょう。最終レンダリングにのみ高解像度のレンダリングを使用してください。
Flamingo照明コントロールの位置
- ツールバー > Flamingo nXtツールバー > レンダリングオプションタブ
- メニュー > Flamingo nXt 5.0プルダウン > コントロールパネルを表示 > Flamingo nXt > レンダリングオプションタブ
レンダリングするビューポート
Flamingo nXt 5がレンダリングするビューを設定します。これはモデルやレンダリングの作業をしている場合で常にレンダリングするビューが決まっている場合に、便利な設定です。例えば、多くの場合レンダリングするビューはPerspectiveです。このドロップダウンを設定することによって、レンダリング開始前にPerspectiveが現在のビューであることを確認する手間が省けます。
アクティブビュー
このオプションは、現在のアクティブなビューをレンダリングします。
使用できるビューポートの一覧
このリストには、モデルの名前の付いたビューがすべて表示されます。常にレンダリングしたいビューの名前を選択します。
レンダリング解像度
レンダリング解像度は、レンダリング設定の中でも一番重要な設定の1つです。このコントロールは、Rhinoのファイルに保存するイメージのサイズと解像度を設定します。解像度を上げると、レンダリングの時間が指数関数的に増加するので、この設定は注意して行ってください。
合計ピクセル
現在のビューの高さと幅の比率を用いて、最終レンダリングの合計ピクセル数を設定します。これは、レンダリングの作業中に用いると便利です。現在のビューをレンダリングと一致させるのに一番良い設定です。ピクセルの合計数を変えるだけで、イメージの解像度を簡単に増加、減少させることができます。
ビューポート解像度
レンダリングイメージのサイズを決定するのにピクセルでのビューポートサイズを使用します。ビューポートの縦横比と解像度が1対1になります。これは便利なモードですが、標準のRhinoのビュー構成の1/4のビューポートに対してフルスクリーンでのレンダリング時は速度が遅くなります。
イメージサイズ
イメージサイズは、いくつかの異なる変数に基づいて最終の解像度を設定します。このオプションは、最終イメージの正確なサイズと解像度を一致させる最良の方法です。最終レンダリングの高さと幅がレンダリングされるビューの縦横比に一致しない場合は、ビューの上下左右の部分が完全に表示されなくなる可能性があります。メモ: これらのコントロールによって、完了するのに時間がかかる高解像度のレンダリングが行われてしまう可能性があります。これらのコントロールは、最終の高解像度のレンダリングに用いてください。
使用できるのは次の4つの単位です。
- ピクセル
- インチ
- ミリメートル
- センチメートル
ピクセル
レンダリングイメージの単位をピクセルに設定します。ピクセル数で簡単に最終レンダリングの幅と高さを設定するのにこの設定を用いてください。
インチ
ページ単位をインチに設定します。インチは解像度設定と共にレンダリングイメージの最終解像度を決定するのに使用されます。最終解像度を決定するには、幅と高さのインチ数を解像度のDPI値と乗算します。
ミリメートル
ページ単位をミリメートルに設定します。ミリメートルは解像度設定と共にレンダリングイメージの最終解像度を決定するのに使用します。最終解像度を決定するには、幅と高さのミリメートル数を解像度のミリメートルあたりのドット数値と乗算します。
センチメートル
ページ単位をセンチメートルに設定します。センチメートルは解像度設定と共にレンダリングイメージの最終解像度を決定するのに使用します。最終解像度を決定するには、幅と高さのセンチメートル数を解像度のセンチメートルあたりのドット数値と乗算します。
ビューの縦横比を適用
この設定は、現在のビューと同じ縦横比に幅と高さ設定を維持するのに使用します。これは、最終イメージで完全なビューがレンダリングされるのを確実にします。
幅
現在の単位サイズでの印刷イメージ幅です。この設定を解像度の設定と乗算し、最終イメージの合計ピクセル数を得ます。
高さ
現在のサイズ単位での印刷イメージ高さです。この設定を解像度の設定と乗算し、最終イメージの合計ピクセル数でのサイズを得ます。
解像度
画面
イメージは、ビューポートのDPI解像度を用いてレンダリングされます。これは、デバイス上のピクセル密度です。通常、これは1インチあたりのドット数(DPI)を表しています。
カスタム
イメージはカスタム解像度を使用してレンダリングされます。カスタム幅と高さ解像度を単位当たりのピクセルで入力してください。
プリンタ、 質-低
解像度をインチ毎100ピクセル、またはミリメートル毎4ピクセルに設定します。
プリンタ、 質-中
解像度をインチ毎150ピクセル、またはミリメートル毎6ピクセルに設定します。
プリンタ、 質-高
解像度をインチ毎300ピクセル、またはミリメートル毎12ピクセルに設定します。これはレンダリングにはかなりの高解像度です。これは比較的小さなレンダリングに適しています。大きなポスターやウォールサイズのレンダリングの場合、この設定では全体の解像度が非常に高くなります。解像度が高くなると、レンダリング時間が長くなります。
単位毎のピクセル
解像度コントロールをカスタムに設定した場合、このコントロールを使用して選択されている単位毎の解像度を設定します。予め設定されている解像度が選択された場合、このコントロールは現在の解像度を表示します。
被写界深度
この効果は、写真家のレンズを模倣する被写界深度のボケを作り出します。レンズは1つの距離のみにしか焦点を合わせることができませんが、鋭さの減少は焦点距離周囲では緩やかです。
オン
被写界深度効果をオンにします。
強弱
焦点領域のサイズをコントロールします。強弱を0に設定すると、イメージ全体がはっきりとします。強弱を上げると、焦点距離外の領域がよりぼやけ、焦点が合っている領域を小さくします。
焦点距離
被写界深度の距離を設定します。オブジェクトに焦点が合う被写界深度点の周辺の距離です。焦点距離が10単位に設定されている場合、被写界深度点の後ろ約7単位、被写界深度点の前約3単位内のオブジェクトに焦点が合います。
ピック
焦点距離をモデル中の点をピックして指定します。
レンダリングエンジン
Flamingoには、3つの異なるレンダリングエンジンがあります。それぞれのレンダリングエンジンは、通常のレンダリング条件で若干異なる結果を表示します。
Flamingoは、レンダリングを行うのに、連続的な、多段階式のレンダリングテクニックを用います。それぞれの段階では、処理が完了していないアーチファクトが表示されることがあります。アーチファクトは、レンダリングに普通ではない未完了の効果を残すレンダリング効果です。技術的には、時間を十分にかければ、3つのレンダリングエンジンの結果は同じになります。しかし現実では、時間には限りがあります。したがって、現在のシーンを最小の段階数で一番適切にレンダリングするエンジンを選択するのがこつとなります。
異なるレンダリングエンジンを選択してみて、結果を確かめるのが簡単です。
デフォルト
デフォルトのアルゴリズムは、非常に質の高いシミュレーションを作成します。デフォルトのエンジンは、幅広い種類のシーンに使用できます。他の2つのエンジンにはデフォルトのエンジンにない強みがありますが、それと同時に弱点もあります。デフォルトエンジンをまず使用するのが一般的によい試みでしょう。
デフォルトのエンジンでは、最初のいくつかのパスでレンダリングに顕著なアーチファクトが現れます。このアーチファクトは、はっきりとした重なり合った影です。パスを繰り返す過程で、これらの影は柔らかみを帯びてきます。これはデフォルトのエンジンが素早く結果を返すことを可能にしますが、実際に影が完全にソフトになるのにより多くのパスを必要とする場合もあります。
デフォルトの方法とパストレーサーの質の違いは(特に間接照明が用いられた場合に)わずかです。質の違いのために処理時間を長くかける価値がないこともあるでしょう。
パストレーサー
パストレーサーは、最初は荒いイメージを表示しますが、それは徐々にリファインされ、滑らかになります。このプロセスは、収束(コンバージェンス)として知られています。パストレーサーは、(より簡単な設定で)多くのモデルによりよい質の仕上げをもたらします。しかし、引き換えに、計算はより複雑で、より時間がかかるようになります。 メモ: パストレーサーを使うと、レンダリングプロセスの際に明るい部分やスペックル(斑点)のアーチファクトが現れることがあります。これらのアーチファクトはパストレーサーには普通で、時間が経つと解決します。
コースティックスやぼやけた透過性などの特定の高度な効果は、パストレーサーを用いるとより高精度で計算できます。インスタンス化、植物、そしてディスプレイスメントマップを用いてレンダリングされたイメージは、収束がより早く行われます。パストレーサーは通常デフォルトの方法より設定が簡単です。反射シェーダ、昼光ポータル、環境光などの高度な設定は、パストレーサーエンジンが選択されている際は使用されません。
パストレーサーを用いてレンダリングされたイメージは一般的に、デフォルトの方法を用いてレンダリングされたイメージに比べて収束により時間がかかります。窓が比較的小さいシーンのような屋内昼光のシミュレーションは、終了するのにより時間がかかります。
ハイブリッド
ハイブリッドエンジンは、デフォルトエンジンとパストレーサーエンジンの良い部分を使おうと試むエンジンです。ハイブリッドエンジンは、両方のエフェクトを使用します。このエンジンは、間接光を常に計算します。ハイブリッドのアーチファクトは、目立った点のパターンです。この点のパターンは、パスを重ねると減少していきます。場合によっては、パターンを取り除くのには多くのパスが必要になることもあります。多くのレンダリングには、このエンジンが最適であることがあります。
高度な設定
ドキュメントのプロパティダイアログボックスのFlamingo nXtページを開きます。最終レンダリングの質をよりカスタマイズするために設定できる高度なレンダリングプロパティが表示されます。